【観劇記録】ミュージカル ウィキッド【感想】

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こんにちは、macaronです。

2024/11/3、大阪四季劇場にてミュージカル「ウィキッド」を観劇してきました~~~!!

一般発売などあって無かったような東京公演を見送り、1年越しの観劇でございます。

(去年アナと雪の女王を見たのが11/3だったので、本当に1年越しなのです。)

聞いていた通り凄く泣ける。

ただ、それと同じくらいもやもやが残ってしまっている部分もあって。

上手く表せるか分からないですが、頑張ります!笑

以下より、ネタバレありの感想になります。(台詞は相変わらずうろ覚えです)

それでは、どうぞ!

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キャスト

感想

エルファバとグリンダの美しい友情の物語

……だと思っていた~~~~!!!!

いや、間違いない。それは間違いないんですけどね。

正直に言うと、少し想像していたのと違うなと思いました。

あの素晴らしすぎるキャッチコピーを鵜呑みにしすぎていたな、というところもあったかも。

Xで流れてきた初演のキャッチコピーもフライヤーと合わさってそう見えてしまっていたけど、あのコピーは深読みすれば成程となる。

私は初演の「たった一人」というのがエルファバとグリンダ、お互いのことだと思っていたのですが、フィエロに置き換えても意味が通るんですよね。

エルファバは世界を捨てて、躊躇いはしていたけど結果としてはグリンダも欺いて、愛しているフィエロと生きていくことを決めた。

グリンダは、一番大切な友達のエルファバと好きだったフィエロの二人を失って、「皆から愛される」という偽りの幸せを手に入れた。

辛いのは、私たち観客ですら知っている「エルファバとフィエロが生きている」という真実を、ずっと近くにいたグリンダだけが知らないということ。

でも、それがグリンダ自身が望んだ幸せを掴みに行った結果なのがもっと辛い。

最初は「皆から愛される私」が一番の幸せだと思っていたグリンダも、あと少しで何かが変えられそうな感じだったのに。

2幕冒頭でエルファバを探しに行こうとフィエロが言ってくれたとき、グリンダは相当揺れていたように見えた。

「これで幸せなはず」と何回も自分に言い聞かせるような歌詞も印象的だったし。

ここでフィエロの手を取っていれば、もしかしたらまた違う結末があったのかもしれないと思うと、やりきれないなあ。

そう言えば、曲だけ聞いて大号泣してしまった「あなたを忘れない」も、本編で見ると少し二人の温度差を感じてしまって。

でもそれはそうですよね。

グリンダにとってはこれからエルファバがドロシーに倒される直前の歌で、エルファバにとっては世界から自分という存在を消し去って、愛しい人と歩んでいく直前の歌だから。

グリンダの世界ではもう、エルファバには会えない。なぜなら二人は死んでしまったから。

エルファバの世界でも、グリンダには会えない。でも彼女は生きていると知っている。

それぞれの意志で進むべき道を決めたのだとしても、苦しすぎる。

エルファバはどんな気持ちでグリンダに「私の夢を叶えて、あなたならきっと出来る」と託したのかな。

あまりにも予想との違いに衝撃を受けすぎて気付いたら終わっていたので、次回観劇するときはこの辺りをきちんと追いかけたいと思います。

(できれば7月に見に行きたいな~と思っている。チケット、取れますように!)

仮想敵について

「不満をこちらに向けないようにするには、国民皆が恐怖心を向ける共通の敵を作ればいい」

オズの魔法使いがエルファバとグリンダに言ったこの台詞。

これ自体はよく聞く話だし、現実の世界でもそういうところはある。

恐らくウィキッドが生まれた背景にある湾岸戦争について、作者が考えていたことも、これだったと思うのですよね。(でしたよね……?)

共通の敵を作り上げることで、自分たちが正しいと思い込み団結できる。

そう、あくまでも「思い込む」。

でもこれは政治とか世界情勢とかスケールが大きいところだけではなくて、本当に小さな私たちの生活にも当てはまるなと。

それは、何かが上手くいかなかったときに自分以外の「誰かのせい」にしてしまうこと。

ウィキッドでは、エルファバが全ての事象において仮想敵とされているように感じました。

オズの世界を陥れようとする「悪い魔女」として。

ネッサローズの脚が不自由になってしまったこと。

ネッサローズが愛するボックを失いかけたこと。

ボックがブリキに変えられてしまったこと。

誰かのせいにしてしまうのはとても楽で、最大限に自分を肯定できる手段なのだと思う。

更に何も考えない頭の空っぽな人間達が、事実を確かめるでもなく、長いものには巻かれろ精神で賛同してくれればそれは「正解」になる。

とても怖いのは、私自身も恐らくそちら側であるということ。

自分自身の意志や軸というものが存在していないから、情報をそのまま受け取ってしまうことが多いんですよね。

舞台を見ながらグサグサくるこの感覚。とても痛いんですけど、そう内省できたから一歩前進なのかな、と思うことにします。

話が逸れてしまいましたが、2幕でネッサローズがエルファバに「全部あなたのせいよ!!!」と叫ぶのは本当に辛かった。

彼女に関してはエルファバが1ミリも悪くないとは言えないんですけど、でも完全に八つ当たりなところもあるから本当に苦しい。

そう言えば、基本的に誰かのせいにするような台詞が多かった劇中で、それとは真逆の意味を持つ台詞があるな、と今書きながら思ったのですが。

「あなたの世界がすっかり変わるの!……あたしのおかげで」

まあ、グリンダの言葉なのですけど。

一見、自分で自分のおかげって言ってしまうのは嫌みっぽく感じてしまいそうですが、グリンダが言うからなのか、一連の流れがあったからなのか、とてもポジティブに聞こえたんですよね。

主語が「あなた」ではなくて「私」なのも、他の言葉と真逆でいいな~と思ったりしました。

その他の感想

・なんていうか、途中まで何も考えていなかったフィエロが脳みそのない案山子に、自分の気持ちを押し殺してネッサと一緒に居たボックが心を持たないブリキに変えられたのは凄く皮肉だなと思ったり。

・同じく人間ではない何かに変えられても「君のおかげで殺されずに済んだよ!」と肯定的なフィエロと、「お前のせいで人間じゃなくなった!」と否定的なボック。

・その人に対する元々の感情とかが加味されてしまうから、こういう物の捉え方って本当に難しい。

・フィエロ、エルファバに惹かれているならグリンダに思わせぶりな態度を取るべきじゃなかった。でも、それも許せてしまうくらいかっこよかったんだ、フィエロ……。

・エルファバとグリンダ、本当に最後まで喧嘩していて笑った。でも、思ったことを正直に言い合える友人がいるのはとても素敵。

・見終わってから、ポピュラーが頭の中から離れなくてですね。

・そしてエルファバを絶対好きになると予想していたのですが、グリンダに心を奪われてしまって。

・でもなんだかんだ二人でわいわいしているのが一番好き。

終わりに

途中でも書いたのですが、もしチケットが取れたら7月にもう一度見に行く予定です。

オズの魔法使いについては、ほんとうに囓った程度の知識しか持ち合わせていなかったので、今度はちゃんと読んで(見て?)から挑もうと思います。

見ていなくても大丈夫だとは聞いていましたし、実際大丈夫だったのですが、やはりそちらを知っておくことで変わってくる感じ方もあると思うので。

2回目を見る事が叶ったら、その時に改めて何を新しく感じたのか書いてみようと思います。

最後に観劇後のお食事写真を残して、今回は終わりにします!

それでは!

全員ノンアル!

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