こんにちは、macaronです。
2024.10.19にミュージカル三銃士の大阪公演を見てきましたので、今回はその感想になります。
私が一番最初に見たミュージカルが「Zorro the musical」ということもあって、刀とかレイピアを持つ坂本くんを見るとゾロを思い出してしまうなあ。
次からネタバレありの感想になります。
どうぞ!
キャスト
アトス | 坂本昌行 |
ダルタニャン | 末澤誠也 |
コンスタンス | 屋比久知奈 |
アラミス | 上口耕平 |
ポルトス | 原田優一 |
ジュサック | 上山竜治 |
ミレディ | シルビア・グラブ |
リシュリュー | 今井清隆 |
感想
「正義は必ず生きている」
劇中何回も繰り返されるアトスの師匠、そしてダルタニャンの父の言葉「正義は必ず生きている」。
じゃあその正義って何を基準として正義というのだろう。
見終わった後、そんなことをずっとぐるぐる考えていました。
例えば、リシュリューがルイ13世を騙して成り代わろうとしたのは、まあ普通に考えれば良くないことです。
でもこの出来事の背景となった「弟として生まれたから親に捨てられた」というのは?これは正しいことなのか。
例えば、ミレディがリシュリューと共謀して王に復讐しようとしたことも、その場面だけ切り取れば正しいとは言えない。
しかし彼女の背景にも「誠心誠意王様に仕えていた父が、何故か反逆者の疑惑を賭けられ、王の命によって処刑された」というのがある。
例えば三銃士は、王とフランスをお守りするのが使命だけど、仕える人自体が良い王でなければ?そのときは反旗を翻すのだろうか。
正義なのか正義じゃないのかはとても線引きが難しくて、そして主観的なものでもある。
誰かが正義と思うことでも、他人からすればそうではないこともある。
今は正しくなくても、先の世界で研究が進めば実はそちらが正しいなんてこともたくさんある。
多数派だから正義だということでもない。
私がひねくれているので、あまりにも「正義」と言われると100%完全な物なんてあるわけないでしょ、と思ってしまうのですが。
でも、誰かのために行動する勇気、何かを思って流す涙、自分の信念が正しいかそうでないのか迷って悩んで考え抜くこと……。
そういうものの積み重ねで、より良い方向へ進む事はできる。
あ、そっか。
「正義は生きている」って、もしかして完璧なものとしてそこにあるものではないのかもしれないですね。
時代に合わせてその側面を変えながら、わたしたちも本当のそれを模索しながら進歩していくものなのも。
「生きる」ということは成長する事だと思うので。
信頼関係が見え隠れする様に和む
三銃士、ダルタニャンももちろんなのですが、個人的にはアトス・ポルトス・アラミスの3人の関係性が好きだったりします。
お互い軽口を言い合ったりしながらも、しっかりとした信頼関係があるのが分かる。
むしろ信頼しているからこそ、軽口が言い合える関係なんですよね、きっと。
まあ、何が言いたいのかというと……酒場(宿屋かな?)のシーンのオフマイク集が欲しいという話です!
あのシーン本当に楽しくて、目が足りなかった。1回では追い切れないですよ。
メインはダルタニャンとコンスタンスのシーンですが、後ろで三銃士がそれぞれ民衆とわいわいやっていたり。
かと思えば2人や3人で集まってガヤガヤしていたり。
アトスとアラミスが笑いながら小突きあってる場面を目撃してしまって、どんな会話してるの!?と気になって仕方がなかった笑
毎回同じなのか、日によって変わるのかもとても気になる……。
複数回見られた方、是非教えて頂きたいです。
あとはアトスとアラミスがポルトスを揶揄う場面も最高に楽しかった。
少し高めの台みたいなところにジャンプして座ろうとするところですね(伝われ~!)
かっこつけようとして全くかっこつけられないポルトスを横目に、アトスとアラミスがさらっとやってのけてしまうこの対比。
分かっていてやってる二人のあのいたずらっ子な表情!あ~~~素敵……。
これ、途中でダルタニャンが入ってこなかったら一生やってるやつじゃん。
そんなお茶目なシーンもありつつ、アトスをミレディのところへ行かせるとき、そしてミレディを喪ったあとの式典のときには、本気で心配しながらも「あいつなら大丈夫だ」と無条件に信頼を寄せる場面もある。
このギャップが3人の培ってきたものを想像させて、なんだかいいなあって勝手にほっこりしていました。
原作ではこの3人のこととかももっと詳しく書かれているのかなあ。
色んな舞台やミュージカルを見ては原作を読みたいと思っているのだけれど、そもそも読みたい本もたくさんありすぎて全然追いついていない。なんとかせねば。
……途中暴走してしまいましたが、こんな感じの締め方でいかがでしょうか笑
その他感想
・観劇して思ったのは、ミレディ様圧倒的優勝すぎる。好きです。
・ミレディ様のところ本当に雰囲気変わるんですよね。
・「銃弾をレイピアで弾き飛ばせる」という伝説技、なんで1回しか使えないんだよ!最後、アトスがリシュリュー卿の殺気を感じ取って銃弾をはじく→ミレディ生存ルートじゃだめだったのか。
・まあ、物語の流れとしてはそうなるよなあ……なのですが。
・ダルタニャンのまっすぐさは若くてとても眩しいのだけど、猪突猛進過ぎる……と思ったのですが、恐らく私が大人になってしまったからだろうな。
・鉄仮面(ルイ13世)とダルタニャン、コンスタンスの身振り手振り伝言ゲームみたいなの、可愛すぎて和んだ。
・あの酒場のシーン、実はフランケンシュタインの「注げ酒を!満たしたら!飲み干せ~~~!」とリンクしてテンション上がった。
・ジュサック、めちゃくちゃ出来る奴という出で立ちなのに結構負けているのなんだか可愛く感じる。上山さんはアンジョルラスでしか拝見したことないから、こういう役のイメージはなかったのですが、とてもかっこよかった。
・というか、坂本くんが上山さんや原田さん、上口さん、今井さん、屋比久さんと共演しているの本当に熱い。ミュージックマンのときの藤岡くんもだったけど。いつか推しとも共演して欲しい。
・原田さんのポルトス、豪胆さもありつつチャーミングで本当によかった。たまに様子のおかしさ出てたのが本当好き。
・上口くんまさかの色男役!全然イメージなかったけど(どちらかというと可愛い役のイメージ。初見がタイタニックだったからかな)、普通にかっこよかったわ。
・末澤さん、初めましてなのですが歌も上手いし声も通るし殺陣もかっこよすぎで驚いた。これからもミュージカルたくさん出て経験積んで欲しい(何目線)
・韓国ミュージカルと勘違いしていたのですが、制作はチェコなのですね。どうりで明るいシーンも多いわけだ。
・殺陣シーンで誰かのレイピアが客席側に落ちてしまったのだけど、みんなで上手く息を合わせてそれさえも演出に変えていくの、舞台のこういう所が好き。
・アトスとミレディの回想シーンの演出がとても好きでした。
・でも流れ星「キラーン」のところはちょっと笑ってしまったwすごく主張が強い流れ星だぁ。
おわりに
私はどちらかというと少年漫画を読んで育ってきたので、剣を持って戦うような手に汗握るシーンはたいへんテンションがあがるのです。
剣じゃなくて拳でもいいのだけど。
しっとりと感情が波のように寄せてくるお話ももちろん好きなのですが、冒険譚、殺陣はまた別の角度で楽しめる。
そこに友情が入るとなお良い。(恋愛も好きだけど、やはり友情物の方が好きです。)
なんだか少し、若い頃に戻ったような感覚にさせてくれました。
そしてやはり、先程も書いたのですが目が足りない!!!!なのでまた再演の機会があればそのときはもっと咀嚼していきたいミュージカルだったな。
ちなみに、今少し原作三銃士のあらすじを調べてみてみたら「そういう流れ??そういう結末なの!?」とあまりの違いに驚くことがたくさんでしたので、その違いを楽しみつつ、原作も次回までには読破しておきたいです。
それでは!
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