マズい男vsヤバい男、やっと見に行けました。
映画のメインビジュアルがああいう感じでしたので「ハードアクション」「シリアス」かと思っていたのですが、とても笑わせてもらいました。
あまりにも不謹慎すぎて逆におもしろい。
帰りにノベライズを発見して思わず買いそうになったのですが、自分の感想や考察を上書きされてしまいそうだったので、まずは先に書きます!
書き終わったら買って読みます。
映画も出来ればもう一度どこかにねじ込みたい。(ヘルドッグスの時も言ってたな……)
いつもの通り、ネタバレありなのでご注意ください!
登場人物
工藤祐司 | 岡田准一 | 飲酒運転中に尾田を轢いてしまった刑事 |
矢崎貴之 | 綾野剛 | 訳あって工藤を追う県警本部監察官 |
仙葉泰 | 柄本明 | 仙葉組組長 |
尾田創 | 磯村勇斗 | 工藤に轢かれた男、今回の物語の鍵を握る |
岸谷真由子 | 清水くるみ | 尾田の仲間 |
工藤美沙子 | 広末涼子 | 祐司の妻 |
植松由紀子 | 山田真歩 | 矢崎の婚約者、県警本部長の娘 |
感想
橋の向こう、その後
いきなりこの話なのですが、その後の彼ら、気になりませんか?
工藤は美沙子との電話のあと、結局出血多量で家に帰ることも叶わず亡くなって終わりかと思っていたのですが、甘かった。
「なんだかんだあったけど、幕引きは穏やかだな~」と見ていたので、もう一段階あるのは予想外すぎました。
あれもう、矢崎が工藤を追いかけるのはただの執念に見えた。
それ以上にお互い追いかけたり、逃げたりするのが楽しくなってきているんじゃないだろうか?
今回の映画、「砂漠にいるトカゲはそこから抜け出せない」みたいなのが一つのテーマになっているのだけど、あの終わりはどっちなんだろうとずっと考えています。
「橋の向こうは砂漠の外で、二人で抜け出せた」なのか。
「結局何も変わらない砂漠のままだけど、一人じゃないから大丈夫」なのか。
個人的には、あの金庫でのお金にまみれながら闘うシーンが砂漠に見えたこともあって、最後開けたところに向かって行った二人は砂漠から抜け出せたのではないかなと考えています。
逆に金庫内に入っていった仙葉さんが、今度は砂漠に入って行ったように見えてしまった。
むしろ仙葉さんはずっと砂漠の中で戦い続けている人なのかもしれない。
あのあと、工藤はともかく矢崎はどうするんでしょうね?
思い返せば、工藤は実は誰も殺していなかったかもしれない……!最初がインパクト強すぎて忘れてしまっていたけれども。(いやまあ、尾田の件は謎ですし、死体遺棄・殺人未遂諸々はありますが)
逆に矢崎は映画内だけでも確実に1人は殺しているんですよね。
まあ、何かが起きてももみ消せるような雰囲気はあったので、そのまま由紀子との結婚生活を続けるかもしれないし、あの執念ぶりだから工藤家に転がり込んでいてもおもしろいな。
あの娘ちゃんは絶対タフに育つと思うので、多分そのうち矢崎とも仲良くなって両親が嫉妬するよ。
本人たちが真面目に必死だから、不謹慎でも笑えてしまう
冷静に考えたら、工藤や矢崎がしていることって笑って済ませられる話ではないんですよね。
でも予想外のことが起きたとき、人はなりふり構わず行動を起こす。
客観的に見るからこそ不謹慎なことをしているのに思わず笑ってしまう。
工藤のお母さんには申し訳ないですが、霊安室のシーンが個人的にはとっても笑えました。
まず通気口のシーン1発目の気張り声が「ふっ!!!」ってめちゃくちゃかっこいい声出してて笑ってしまったし、「母ちゃんごめんよぉ」って謝りながら棺桶に尾田の死体ぶち込んでるのシュール過ぎる。
母ちゃん、困り顔になってたように見えたのですが、恐らく私の勘違いでしょうね笑
棺桶の相席は初めて見ました。そりゃ出棺時に男性何名かで棺桶を持ち上げても「重っっっ!」となります。
あと、何度も工藤をピンチに突き落とす尾田の着信音。
なんであの着信音にしたのw
ちょっとやさぐれた半グレくんがあの着信音なの可愛すぎないか。
そして矢崎の不死身さも凄すぎて途中で変な笑いが出てきてしまうのです。
あの爆発に巻き込まれても焦げ付いただけで、工藤とあんなに派手なアクションできるってどういうこと……?
そりゃお義父さんにゴルフクラブでたこ殴りにされてもピンピンしているわけだ。
金庫内で矢崎が現れたとき、展開的には全然よめていたのに本当にびっくりした。
それにしても、工藤がお金を鞄の中から戻したとき、砂漠からやっとぬけだせるんだなあと思ったのに。
工藤と矢崎、それぞれに何かが起こるときお互いが知らず知らずのうちに原因になっているの、もはや運命共同体だよ。
工藤も矢崎もやばいけれども、周りも割とやばい
今回の映画、「マズい男vsヤバい男」そして「クズvsクズ」ということで工藤と矢崎がフォーカスされていますが、よくよく考えると周りも結構ひどい人ばかりじゃないですか?
様々な不祥事を「適当にもみ消しておけ」とか言っちゃう矢崎の義父(警察の上層部の人間)(そしてもちろんパワハラ野郎)
汚いお金を当たり前のように作る政治家と、それを洗浄し上納金を受け取る寺の住職たち
仙葉さんは……まあ、ヤクザだからなあ。
美沙子も由紀子も「ん?」と思うシーンは少なからずありましたし。
割とまともだなと思ったのは、工藤の同僚の久我山さんですかね。
ちゃんと真実を見極めようとしているし、工藤のことをあれこれ言いつつちゃんとお話は聞いてくれるし。そしてなんだかんだ信じてくれる。
それなのに……もしかしたらこの映画唯一の良心かもしれなかったのに……とばっちりすぎる。
あのシーンは本当にびっくりしました。
完全に工藤の方をマークしていたから裏切られましたね。
でもまあ矢崎は工藤に「俺は本気だぞ」というところを見せつけて追い詰めたかったのだから、そうなるか……やるせない。
それにしても矢崎から工藤への電話での一言目が、束縛ヤンデレ彼女or彼氏のテンプレ台詞みたいな「今誰と話している?」なのは少し笑ってしまったな。
おわりに
今回、予告とボクらの時代だけ見て、他の番宣では全く情報を仕入れずに挑んだのですが、とっても楽しめました。
浮き沈みがあるどころかずっと浮いている状態の映画なので、120分どきどきしっぱなしでとっても疲れましたが、最後のあのまとめ方は良かったなあと思います。
ボクらの時代での岡田さんの「褒めて褒めて~」感と綾野さんのぽやっとふわっと感が残っていたので、劇場で見た工藤と矢崎のやばさに、俳優さんって凄いなあと思うばかりです。
そう言えばパラサイトを見たときも思ったのですが、韓国映画って「自分がいる身分は運命として背負っていくもの、覆せないもの」というようなお話多いのですかね?砂漠がその比喩かなとも思ったのです。
韓国映画、その2本しか見てないのでなんとも言えませんが。
現在、1日の上映回数が少なくなっているので、まだ見ていなくて気になっている方は急いで映画館へ行きましょう!
それでは!
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