【観劇記録】ミュージカル ファントム 8/5ソワレ@大阪梅田芸術劇場メインホール【感想】

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感想

こんにちは、macaronです。

前回の観劇から1週間、大阪の前楽のチケットを入手し再び観劇出来ることになりました。

同じ演目を見ても毎回刺さるポイントが全く違ったり、台詞一つでも捉え方が変わってきたり、生の演技って本当に面白いなあといつも思ってしまいます。

前回の感想はコチラから。

今回、キャストが違うのはヤングエリックとシャンドン伯爵のみ。

エリック、カルロッタは前回と同じ方で観劇しています。というか加藤エリック見たいと思って追加したらこのキャストになりました!

そして今回もネタバレ多数ですので、未見の方はご注意ください。

それでは、どうぞ!

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登場人物

エリック加藤和樹/城田優パリ、オペラ座の地下に住むファントム
クリスティーヌ・ダーエ真彩希帆/saraオペラ座に憧れてパリへやってきた少女
フィリップ・シャンドン大野拓朗/城田優オペラ座のパトロン
カルロッタ石田ニコル/皆本麻帆アランの妻、オペラ座の新プリマドンナ
アラン・ショレ加治将樹オペラ座の新支配人
ゲラール・キャリエール岡田浩暉オペラ座の元支配人、エリックの父
ルドゥ警部西郷豊パリ警察。ファントムの存在は信じていない
ジャン・クロード中村翼オペラ座の舞台進行係
文化大臣加藤将オペラ座支配人の任免権をもつ

ファントムはクリスティーヌの成長物語でもあった

クリスティーヌ役の真彩さん、今作品で初めて拝見したのですがとっても歌が上手いですね……。

高音まで綺麗で惚れ惚れしてしまう。これはエリックも聞いた途端あの笑顔になるのが納得出来ます。

もうレッスン必要ない笑

まあ、それは置いておいて。

エリックももちろんそうなんですけど、「ファントム」はクリスティーヌの成長物語でもあると思っていて。

冒頭のクリスティーヌは、世界は輝きに溢れていると思い込んでいる無垢な少女だった。

冒頭どころか一幕のラスト、「タイターニア」で声が出なくなるその瞬間までそうだったように感じました。

この世界に悪意を持つ人なんていなくて、皆が表に見せているその姿が本当だと信じている。

だから嫌味にも気づかないし、カルロッタの差し出した毒も普通に飲んでしまう。

そんな彼女はエリックと出会うことで、「そうではない世界」を知ってしまう。

妻がいながら他の女性を愛してしまった、そして自分が父であることさえエリックに打ち明けないキャリエールへの怒りにも近いもどかしさ。

受け止められると思ってエリックの顔を見せてもらったときに生まれた恐怖心。

そして思わず逃げ出してしまったことへの後悔。

全て今までのクリスティーヌからは感じられなかった負の感情ではあるけれど、別にそれらを持つのは悪いことだとは思わない。

エリックの顔を見て逃げ出したクリスティーヌが、最後、腕の中で息絶えた彼の仮面を取ってそこに口づける場面。

それまで何も知らなかった少女が、一人の女性に成長したような、人間として深みが増したような感じがしました。

あと、クリスティーヌはベラドーヴァ(エリックの母)を演じる前と演じた後で雰囲気がガラッと変わるのが凄い。

ピクニックのシーンとか、本当に聖母のように見えたもの。

だからこそ余計にその後の「まことの愛」からのエリックの顔を見て崩れ落ちるシーンが苦しく感じるのだけれど。

クリスティーヌが最終的に「恋心」として惹かれていたのはシャンドン伯爵だったと思うのですが、エリックに対しては、それを超越した「愛情」だったのだとではないかと思います。

人はたとえ負の感情を持っていたとしても、それを自分の中に落とし込んで乗り越えていけるだけの強さがある。

二幕のクリスティーヌはそれを痛いほど教えてくれました。

そう言えば、クリスティーヌってエリックのこといつまで「先生」って言ってたのかな。

最後、キャリエールに撃たれたとき「エリック!!」って叫んでいた?記憶が曖昧すぎる……。

泣く自分に蓋をしたエリック

「夜になると泣き出すんだ」

「こうしてオペラ座の幽霊伝説は始まった」

自分の顔の醜さと、暗い地下でひとりぼっちである状況に毎晩泣いていたエリックは、いつから泣かなくなったのだろう。

エリックは、おそらく同じくらいの歳の子が母親に抱きしめられ、父親に甘えている間、一人でずっとマリアに祈りながら泣いていた。

大人になるにつれ、もうどうしようもないと諦めたのか。それとも自分の醜さを受け入れたのか。

あるいは両方だったのかもしれません。

本当に少しだけ、キャリエールが父親かもしれないという希望は抱いていたとは思うのですが。

いつの日か泣くことをやめたエリックが、クリスティーヌに拒絶されて子供に返ったように泣きじゃくる場面は、見ていて痛々しささえ感じます。

泣いていた少年を無理矢理閉じ込めて大人になったエリックは、恐らくあの瞬間、今までため込んできたものが一気に溢れ出てきてしまった。

泣きたい自分を見ないふりしてきた時間は本人が思っていたよりもきっと凄く長かった。

あの舞台上にたった一人で慟哭する姿……あれは泣かずにはいられない。

あの流れでクリスティーヌに「全てを受け入れる」と言われたら、そりゃあ信じてしまうよね。

仮面を外し頑張って笑顔を作ったり、自分の顔を見て崩れ落ちたクリスティーヌに「だ、だいじょうぶ……?」と手を差し伸べたり……見れば見るほど健気だよねえ。

人生の価値

開演前にもルドゥ警部から「この物語は愛が複雑に絡み合って起きた悲しい物語」とアナウンスが入るのですが、2回目の観劇を終えて、愛以上にもっと大きな「人生」とうものを軸にした物語だと、私は感じました。

冒頭、「人は皆理由を持って生まれてくる。僕の生まれてきた意味は何」とキャリエールに話すエリック。

衣装部屋で「ここから始まる私の/僕の人生」と歌うクリスティーヌとエリック。

他にもありますが、「人生」や「夢」という歌詞、台詞が本当に多い。

エリックの人生に思いを馳せたとき、前回の記事にも書いたとおり、あんなに辛い思いをするのだったらクリスティーヌに出会わないままの方が幸せだったのではないかと思っていました。

でも、終盤のキャリエールとのシーンで「考えてみれば悪くなかったよ、生まれてきたこと」「たとえ一瞬でも、生きた甲斐ががあった」とエリックは自分の人生を肯定した。

たとえ誰がどう思おうと、人生の価値を決めるのは自分自身でしかない。

エリックは最後、自分の人生に満足していた。それが全てなのだな、と。

1回目観劇後に感じたことは、とても傲慢な感想だったと凄く反省してしまった。

他人である私たちには、人の人生を見てどうこう言う権利はないのだと、とても学びになりました。

そしてもう一つ。

今まで闇として一人ぼっちで生きてきたエリック。

彼もまた、誰かの人生になっていた。

誰かとは、母・ベラドーヴァであり、父・ゲラールであり、そして彼に導かれて夢を手に入れた少女、クリスティーヌだった。

最期の瞬間、クリスティーヌの腕の中で彼女の歌を聴きながら、それがエリックに伝わっていればいいな、と願うばかりです。

その他感じたこと

チャプターに出来るほど長くはないけれど、この日の公演を見て感じたことを箇条書きで書いていきます。思ったことをそのまま書いておりますのでご注意ください。

・カルロッタ、普通に可愛いし歌が上手いんだよなあ~。喉だけには気をつけていただきたいです……。

・一度見てからだとエリックがキャリエールに甘えてるのわかりやすいなと思えてきた。「僕もあなたと一緒に行く!」の台詞とか特に。

・崩れゆく心の歌い出し前、シャンドンとクリスティーヌを裏から見ているエリックの背中が本当に小さく見えるのよ。そして涙をこぼさないように上を向く加藤エリック……。

・シャンドン伯爵の煌びやかさが強ければ強いほどエリックの悲しみは深くなる。

・というかビストロで歌うカルロッタへのシャンドン伯爵の視線が1ミリも笑ってなくて怖かったです。

・ルドゥ警部の「アイーダはコメディじゃない!?!?」「椿姫も、コメディじゃ……ない???(困惑)」みたいなの申し訳ないけど笑ってしまう。芸術に詳しくはないけど真剣に見て、演目を理解しようとしていて凄くいい人。

・カルロッタの歌声を聞いて「僕の顔よりひどいな」とかさらりと自虐ネタも言えちゃうエリック何?

・ピクニックシーン、何かが物陰で動いたときにクリスティーヌと一緒になってびっくりしちゃうエリック可愛すぎないか。

・というかクリスティーヌに全く歩みを合わせないし、腕を貸してからも自分のペースでぐいぐい進んでいくエリック、本当に人と今まで関わってこなかった感がリアルすぎてやばい。

・キャリエール、一番難しい役だよなあ。それをラストシーンであれだけ感動させる岡田さん凄い。

・君は私の全てでキャリエールがエリックを抱きしめたとき、エリックもまたキャリエールの背中に手を回していたの、二人の間の壁がなくなったように感じられてよかった。

・シャンドン伯爵がエリックのことを「化け物」(だったかな?)と呼ぶの、凄く苦しくなる。

・開演前のパリ警察の自己紹介、前はなかったと思うのだけど……凄く楽しかった!

・カーテンコールが可愛いの大渋滞過ぎて言葉を失ってしまう。

・いくら和樹さんでも城田さんにあの勢いで抱きつかれるとそりゃよろけるよね!!!

おわりに

1回目を見終わった後、衝動的に2回目のチケットを追加してしまったのですが。

本当に今回観劇出来てよかったなという気持ちでいっぱいです!!!

東京は追加できそうにないので、今回のファントム観劇はこれにて終了ですが、もしまた再演があれば(信じています!!!!)、また通いたいなあと思います。

これから東京公演を見に行かれる皆さんは是非舞台の隅々まで楽しんでください!

そして見られた方がいたら、是非私にも皆さんの感想を教えていただけると嬉しいです。

それでは!

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