こんにちは、macaronです。
2024年3月30日、昨年10月ぶりに舞台「ハリー・ポッターと呪いの子」を観劇してきました。
開幕時、ハリーを演じられたうちの一人である石丸幹二さんが復帰されることと、もう一度大貫さんのハリーを見たいと思い、丁度二人が揃うこの日を選びました。
そしてなんと大貫ハリーと宮尾ドラコのダンサーコンビ(しかも宮尾さん千秋楽)という奇跡の回を見る事ができ、とても幸せです。
また、今回は原作もある程度まで読んでからの観劇なので、内容がするする入ってきました。
1回目に見たときとは自分の感じ方も変わった部分があります。
以下、かなりのネタバレと私の考えを含む感想になりますので、ご注意ください。(カフェのレポートは最後です。)
それでは、どうぞ!
(初見の感想はコチラ↓)
登場人物
セドリックと死
正直、今回のお話の軸である「セドリック・ディゴリーの死」については原作を読んでいないのと読んでいるのとでは、感じ方にかなりの違いが出てくると思います。
学校対抗最後の課題である迷路。
あの中でアルバスとスコーピウスは課題に挑んでいたセドリックと出会い、「貴方のお父さんは、貴方をとても愛している」と伝えます。
この物語で見ると、それだけでも伝えられて良かったという感覚と、この先セドリックが殺されることが分かっていながら、それだけしか言うことが出来ないのが苦しいという感覚になるのですが。
原作軸で見たとき、ハリーと一緒に優勝杯を手に取り、そしてヴォルデモートに殺された彼は、この二人の言葉を既に聞いていたことになるんですよね。
それを思うと、あの一言だけでも本当にセドリックは聞いておけてよかったなと思いの方が強くなる。
これを聞いているのと聞いていないのとでは、その後の「僕の遺体を両親のもとに連れて行って欲しい」の重みが、また違ってきますね。
ちなみに、この「死」についても今回いろいろ考えました。
ハリー・ポッターシリーズは児童書のはずなのですが、児童書なのかと思うほど恐ろしい表現や死の表現がまとわりつく作品でもあります。
アルバスが今回、セドリックを取り戻そうとうとスコーピウスに提案したときに言った言葉、「親父もたくさんの過ちを犯した。僕はその一つを正したい。」
初回観劇時から、この台詞には少し引っかかりを覚えていて。
セドリックを死なせてしまったことは、ハリーの過ちだったのか?
いや、きっとそんなことはないはずなんです。
ハリー本人も、もっと動けていればと自責の念に駆られていましたが、優勝杯を触った瞬間知らない場所へ移動して、気づいたときには横で人が倒れていた。
相手は躊躇い無く死の呪文を使ってくる人たち。
あの状況でハリーに何ができたというのか。
これを「過ち」と言ってしまうのは、かなり残酷だなと思ってしまうのです。
舞台後半でデルフィーニが本性を現わしたとき、アルバスとスコーピウスの目の前で一人の学友が殺されますよね。
いきなり発せられた死の呪文、目の前で倒れた学友、何も為す術がなかったアルバスとスコーピウス……。
これは、この二人の過ちなのか?いや、それも違う。
今まで「父の過ち」と言っていたことと同じ経験をしてその状況を知るというのは、なんとも皮肉な話過ぎますね。
ちなみに、エイモスが言った「生き残った男の子のために、いったい何人死んだと思っている!!!!」もかなりキツくて。
本当のエイモスはそんなこと本心から思っているわけではないと分かっているのですが、錯乱呪文をかけられているとハリー達は知らないから、本当に抉られただろうな、この台詞。
呪いの子
今回もう一度観劇して、タイトルロールになっている「呪いの子」についても新しい考えが出てきたので少しまとめてみます。
2023年10月に初めて観劇したとき、呪いの子=デルフィーニがおそらく正解なんだろうなと思うと同時に、個人的にはハリーのことだという解釈をしていました。
タイムターナーで時間を遡り、セドリックを取り戻すことから始まったこのお話の冒険は、あの運命の日、ジェームズとリリーが殺されてハリーが生き残ったところを見届けて終幕となります。
ハリー・ポッターシリーズの始まり、賢者の石のプロローグへと続くこの出来事。
ハリーが母親から愛、そしてヴォルデモートから死の呪いをその一身に受けて生き残ったところで本編は終わった。
だから、全ての出来事の起点となったハリーの存在が「呪いの子」なのかな、と。
あまり自信もなく、言葉にするのも難しかったので言わなかったですし、書きもしなかったですが、そんなことをぼんやり考えていました。
ですが今回改めて原作を(途中までですが)読み返して、舞台を見たとき、この物語の登場人物の大多数が血や家系、名前にかなり囚われているなと感じて。
舞台の中だと、アルバスが「本当にお父さんに似てないのね!」、「スリザリンのスクイブ」、「ポッターがグリフィンドールじゃなくてスリザリン?」と言われている場面。(組み分けのときは、あのマクゴナガル校長も驚いているのに、私は驚きました。)
スコーピウスが「ヴォルデモー卿の息子」だと噂され、一定の距離を置かれてていること。
ハリーでさえ「スコーピウスの血筋を調べさせる」というような発言をしていたり。
純血、混血、マグル生まれ……そこを重視する人がかなり多い。
家柄でいうならマルフォイ家とか、本筋は途絶えていますがブラック家はその最たるものなんですよね。
こういうものって、代を重ねれば重ねるほど、歴史を積めば積むほどに後の世代を呪縛するものになるのではないかなと、思っていて。
あまり綺麗にまとめられませんが、本当のタイトルも「CURSED CHILD」と単数形ですが、実はこの世界の登場人物全てを内包しているのではないか、という結論になりました。
キャスト感想など
少し長くなりますが、キャストの所感や他短い感想などを書いていきます。
・マチネの大貫ハリーと馬渕ジニーとても熱かった。自分があの魔法戦争で死んでいればよかった、ダンブルドアもそれを望んでいたのにと、弱気になるハリーに自分の思いをこらえきれなくなったジニーのあの感情があふれ出した感じ、とても好き。
・「私の兄と!息子を!そんな風に……」「アルバスは死んでない……死んでないから!!!」
・からのアルバス達のSOSサインは本当に熱いんだよなあ。
・というか大貫ハリーは本当に、選択肢を決めてもそれが正しいのかずっともがいている感じがする。
・対して、石丸ハリーは正しいと信じれば本当にそれを貫くし鬼にだってなりそうなハリー。絶対スリザリンの素質ある。
・マクゴナガル校長に忍びの地図を渡す勢いが凄い。あれは本気で、誰に嫌われたとしても全力で圧をかけにくるハリーだ。「大切なのは好かれることじゃない、従わせることだ」を本気で実行している。
・だからこそ、石丸ハリーはダンブルドア先生とのやりとりのシーンがとても好きだった。ひとしきり感情をぶつけきった後の「あなたを愛しています」→「知っておるよ」がもう、何も言えないくらい切ない。
・最初のダンブルドア先生の助言、「息子への愛で本質が見えなくなっている」みたいなやつ。不死鳥の騎士団を読み終わった今なら分かる。過去のダンブルドアと同じ状況になっているってことじゃん。
・正史のロンの職業がジョークショップの店長と聞いて、笑いを耐えきれないスネイプ先生可愛いな。
・「セブルス、気の毒に……」えっ、ハーマイオニーのセブルス呼び、とてもいいな。
・マクゴナガル校長に怒られて泣き崩れるハーマイオニーを、複雑な気持ちを抱えつつも抱きしめるローズ。それを見るハリーの構図がなんというか……苦しいね。
・宮尾ドラコ、優雅すぎる。暖炉から出てきたときの立ち上がり方に無駄がなさ過ぎて「体幹……!」となってしまった。
・しかし、かれはアストリアの死を相当引きずっているドラコだねえ。冒頭でのスコーピウスの「父と息子だからね、そこはまあ、色々あるよ」という台詞、とても想像できる。
・松田ドラコはアストリアを喪った事への悲しみもありつつ、彼女が自分を変えてくれたこと、そして遺してくれたスコーピウスの存在に救われているし、未来を見ているドラコに見えた。
・決闘はするけど、全体的にハリーへの昔の確執は少なめ。割り切りが出来ている。
・2階女子トイレの「なんでそんなところにいるんだ!」の台詞の違い。
宮尾ドラコ:本気で分かっていない。何か起こっているのか?頭に?がたくさん飛んでいる。
松田ドラコ:女子トイレに入るなんて!!!そんな子に育てた覚えはない!!!!!
・「ずっと友達でいて」→「僕たち友達だよね?」「永久に」のくだりが好きすぎます。
・アルバスはずっと、自分に英雄ハリーポッターの影がつきまとうのにうんざりしていたから、スコーピウスの「君の方がいいよ」に実はめちゃくちゃ救われたと思う。
・最後のヴォルデモー卿のシーン、ライトが左右から当たって後ろに伸びる影がまるで翼に見えた。デルフィーニの背中に描かれたオーグリーみたいに。
・そもそも、デルフィーニはなんでエイモスに錯乱呪文をかけて姪になったんだろう。セドリックがキーマンになるなんて、物語のはじめの部分では分からなかったはずなのに。
・スペアは生き残り……のあの文が書かれていたということは、そこまでわかっていたのか……。
・初回見たときは、ハリーめちゃくちゃ酷い父親だなと思ったけど、原作を読んでいるとハリーに感情移入してしまう。
・ディメンターの登場が好きすぎて、最早ディメンター推しなのかと悩んでしまう。
・ハーマイオニーの執務室で本棚を見つけて大の字ジャンプする石丸ハリー(中身はスコーピウス)
記録:ハウスプライド、ハリーポッターカフェ
今回、マチソワ間の時間を利用してハリーポッターカフェに行ってきました。
注文したのは、こちらの3つです。
・ブラックレイク フィッシュ&チップス
・エクスペクト・パトローナム
・イートンメス ゴブレット
アズカバン推しですので、最初の二つは食べることが確定していて。
デザートを期間限定にするかどうか悩んでいたのですが、ベリーが好きなのでゴブレットにしました。
上のクリームが少し重かったですが、中のベリーとメレンゲ、ジェラートが混じるとさっぱり感が増して食べやすかったです。
フィッシュ&チップス、これでお腹いっぱいになるかな、と心配だったのですが想像以上にフィッシュが大きいです。お腹いっぱいになります!
ちなみにディメンターはお塩です。これ、崩せないでしょ……。
エクスペクト・パトローナム、上のドームを割った瞬間に煙が溢れて、本当にパトローナスを出している感覚が味わえる……。
それから、この日はハウスプライドのレイブンクローウィークだったので、入場時に旗をもらえました。
せっかくなので、幕間もレイブンクローイメージのドーナツを注文。
ちなみに、公式の組み分け帽子診断(アルバス、スコーピウスの役者さん達がやっていたやつ)を試してみたら、私はハッフルパフでした。
おわりに
いやあ、書きたいところが多すぎて全く纏まらないですね!
次は7月、キャストが変わってからかな~と思っていたのですが、考えてみると私はまだ悠バスと西ピを見る事が出来ていないうえに、アルバス役が二人とも6月末で卒業なので、6月もう一度見に行こうとしています。
川越に行く予定があるので、その前後どちらでも良いのでその組み合わせの日があればいいな。
今回、呪いの子の脚本(文庫本版)も購入たので、こちらも読み進めようと思います。
それでは!