【観劇記録】ミュージカル マタ・ハリ 2025.10.25 マチネ&ソワレ【感想】

※アフィリエイト広告を利用しています
※アフィリエイト広告を利用しています
感想

こんにちは、macaronです。

今回はミュージカルマタ・ハリの大阪公演をマチソワしてきましたので、その感想になります。

再演はコロナ禍で観劇出来ていませんので、初演ぶりの観劇となります。(え、7年前……?怖……)

初演の時、面白いけどめちゃくちゃ刺さるわけではないなーくらいの印象だったのが、今回ぶっ刺さって自分でも驚いております。

それでは、どうぞ!

スポンサーリンク

キャスト&あらすじ

キャスト

マタ・ハリ柚希 礼音/愛希 れいか
ラドゥー加藤 和樹/廣瀬 友祐
アルマン加藤 和樹/甲斐 翔真
ヴォン・ビッシング神尾 佑
アンナ春風 ひとみ

あらすじ

1917年、第一次世界大戦下のパリ。
ドイツ軍の侵攻が迫る中でも、マタ・ハリのダンスはパリ市民の心を捉えて離さない。ヨーロッパ中の皇族や政府高官、軍人たちを魅了した彼女は、戦時下のヨーロッパを自由に往来して公演を行っていた。
そこに目をつけたフランス諜報局のラドゥー大佐は、断れば人生の秘密を暴くとほのめかし、マタ・ハリにフランスのスパイとして働くよう要求する。
ラドゥーの要求に怯え、悩むマタだったが、戦闘機パイロットのアルマンと恋に落ち、自分の人生を生きるため、一度だけフランスのスパイを務めることを決心する。
だが、マタの想像を超えた国家同士の謀略は、愛を知った彼女の命運を変えていくのだった。

ミュージカル「マタ・ハリ」公式HPより

感想

マチネ 柚希マタ×加藤ラドゥー×甲斐アルマン

私は甲斐くんが恐ろしいよ。

何というか……任務でマタに接近して、「あれ、もう既に少し好きになってる?」と思っていたんですよ。

そしたらその後仲間ととても仲よさげに出てくるし、加藤ラドゥーに対してめちゃくちゃ懐いている?(忠犬にすら見えた)くらいの態度だったので「怖っ!」ってなりました。

でもその懐いていると感じさせられたのも、その前のマタとのことがあるので本心かどうか分からない。

甲斐アルマン、スパイ適正ありすぎなのでは?

だとしたら加藤ラドゥーはある意味引き抜き成功してたんだな。マタ・ハリの存在が狂わせてしまっただけで。

甲斐アルマンの底知れなさは恐怖だけど、でも実は台詞や歌詞は全て本心だったんじゃないかなあ、とも思う。

セラヴィでの夢を語る姿とかは特に。

若さがそうさせるのかもしれないけれど、諦めているようで、もしかしたらそんな日が来るのかもと思っているようでもある。

だからこの曲からの「遙か空から」の流れが一本線で繋がっていて。

その繋がりの起点にはマタ・ハリとの接触があったから、彼女に惹かれていったのもそこに集約するのかなあと。

加藤ラドゥーに関しては、初演との感じ方が全く違っておりまして。

初演はもっとマタ・ハリに惹かれていたというか……うーん、難しいけど「俺もお前もただの男」とか「夢中なんだろ、あの香りに」とかの歌詞がド直球にそのままの意味!って感じていたのですが、今回はもっと屈折していたというか……。

純粋な愛や恋じゃなくて、もっと複雑な何か。

「自国の兵士の命を間接的にだが奪い続けているラドゥー」「夫から逃れ、生き延びるために何でもしてきたマタ」もしかしたら「家庭内での暴力が横行していたアルマン」もそこに含まれるのかもしれない。(加藤ラドゥーと甲斐アルマン、上にも書いたけど最初はいい上司と部下のように見えたので)

境遇は違えど、同じ仄暗さを抱えている彼女への執着というか。置いて行かないで欲しいという気持ちが見え隠れするラドゥーだったなと感じたかな。

特に最後の「戦いが終わっても」で退場するときに手を伸ばすのが、苦しい。

柚希マタも、初演ではもっと強かな人に見えたのですが、不器用な生き方しかできなくて、自分の弱さというものを強い仮面で覆い隠しているマタに感じ方が変わった。

「わたしは戻らない」では蓋をした過去を暴かれる恐怖がチラつき、アルマンと出会ってその部分を預けてもいいのかもしれないと揺らぐ。

だからこそ「マタ・ハリになる」は柔い部分を覆い隠す儀式となり、病院のシーンでは悲しさが先行する。

柚希マタの台詞の中で、一番刺さったのは「じっとしていたい」かな。そして処刑後の何かを見つけて笑顔になる流れで、やっと解き放たれたのだと寧ろ安心さえしてしまう。

初演組の感じ方が変わった(もしかしたら、私も歳を重ねたからかもしれないけれど)+一世代下のアルマンが入ったことでかなり刺さったのかもしれないね。

ソワレ 愛希マタ×廣瀬ラドゥー×加藤アルマン

廣瀬ラドゥー、新境地過ぎないか???

ひたすらに怖い。何がってマタ・ハリを見る目が、そしてアルマンに向ける爆発力が。

そういや、加藤ラドゥーはマタにもアルマンにも怒鳴り散らしていたけれど、廣瀬ラドゥーは基本的にマタには落ち着いて、アルマンには声を荒げるという感じだった気もする。

廣瀬ラドゥーは本当にカッチリとした軍人さんという感じ。優先順位1番は国、これは不動。

そしてマタ・ハリに向ける感情がどちらかというと軽蔑まである気がしている。

笑っては見せるけど、どこまでも冷たくて感情がこもっていない目。

でも「二人の男」にあるように彼女に惹かれているのも本当で、だから余計にイライラするし、そんな自分を軽蔑しているまであると思っている。

一番ひぇ……ってなったのは助けを求めに自宅に来たマタに、アルマンの消息を伝える所かな。

加藤ラドゥーはまだ頼られたことに対して普通に回答している(「いつかぼくが信頼に足る人間だと~」を実行していような)感があるのに、廣瀬ラドゥーの感情と抑揚のなさは何???

あれはマタも「あんなの敵うわけない」ってなるわ。恐怖過ぎる。

加藤アルマン、年齢的にどうかと思ったけど全然アリだな!!

寧ろ加藤アルマンの方が、最初からマタに惹かれているまである。そして任務であることを思い出しては葛藤する。

あと彼のセラヴィはどちらかというと諦め色が強いと言うか。夢は夢として本当の事だけど、きっとそんな未来は来ない。でも今この瞬間君と街を見ながら歌っているのは現実で、それがものすごく奇跡のように思える、みたいな。

「リヨンを今度案内してあげるよ!」はとっさに出た台詞というか、思わず言っちゃったようにも感じられたんだよね。

だから、加藤アルマンの気持ちは「遙か空から」が転換点になっていたのかな~って。

任務としての自分とマタに惹かれている自分。セラヴィで語った叶うはずのない夢。

何本かの線が、この曲で繋がって1つになるみたいな感覚だったな。

愛希マタはすごく艶めかしい。すごく扇情的なのだけど、そのなかに激情を秘めているイメージ。

「わたしは戻らない」は過去の仕打ちに対する憎しみがちらつく。

対廣瀬ラドゥーしか見ていないので、なんとも言えないけどラドゥーへの扱いが雑というか、嫌悪感が出ている。

受け取ったバラの花を投げ捨てているのも驚いた。

あれ、私の中の愛希マタ×廣瀬ラドゥーはお互いに嫌悪していないか?ある意味では両思いだったのか??

愛希マタは廣瀬ラドゥーの中に、元夫の何かを見てそういう態度になっているのかもしれないね。

だから愛希マタの場合、「マタ・ハリになる」は感情を削ぎ落とす儀式で、病院のシーンはどちらかというと怒りが先行する。

愛希マタの台詞で印象的だったのは「そこで私は生まれ変わったの。マタ・ハリとして」。

この台詞をいうマタの表情が他にはないくらい穏やかで、これが本来の彼女だったんだろうな、って納得させる何かがあった。

今更だけど、両マタとも全組み合わせで見たかったな……。

その他の感想

・「君のキャリアもそれ次第」については両ラドゥーともにキャリアを浮かべてはないんだよね。そのキャリアの裏にいる「亡くなった一万の命」を思っている。

・ラドゥーの行動起点は「一万の命」にある通りだから、マタ・ハリと兵士を天秤にかけるなら、そりゃあ後者を選択するよな。

・「そして俺は変わらない日々を過ごす」が圧倒的に無理な展開過ぎるでしょ。加藤ラドゥーはあの後命を絶ちそうだし、廣瀬ラドゥーは死にはしないけど一生眠れない。夢の中でアルマンを撃った瞬間が繰り返されるんだよ。

・ラドゥーはどこでアルマンに接触したんだ?スパイに勧誘するまでに何か動きがあったはずだよね。訓練中に見たとか、諜報部になる前は一緒の部隊だったとか……。

・それを考えるとマタ、ラドゥー、アルマンの関係性がもっと深掘り出来そうなんだよ。

・私、多分ラドゥーのこと好きすぎる。

・アンナはずっとMVP。初演もアンナは刺さっていた。

・初演の和音さんには鏡に映ったマタに対する聖母のような眼差しだけで涙腺ぶっ壊されたのです。

・和音アンナとは同じ時代を生き抜く友であり同志、春風アンナは安直だけど母と娘。でも、ここの関係は分かりやすい方が良いと思うの。

・だって他が全部わかりにくいからね。「ではあなたは何者なんですか?」と問われるように、自分のことすら分からない。

・だから、アンナとマタの関係は単純に分かりやすくて、だからこそ嘘がない。

・時々出てくるマリオネット使いとか、バレエダンサーとか、途中まで笑顔なんだけど皆最後は表情が消えるのが辛い。

・加藤アルマンのベッド落ち凄すぎたw本当に落ちた人の顔だよw「?????」見たいな表情和みます。

・まさか神尾さんがミュージカルで推しと共演するなんて……。正直、テレビはあまり見ないので、私が知っている彼はSPだけなのですが。

・あのときは4係の良心というか、皆の先輩でありお兄ちゃん(?)みたいな誠実な役でめちゃくちゃかっこよかった記憶ある。映画後編でさ、「お前のマルタイは今どこにいる?」って聞くのすっごく興奮しながら見てた。

・今回は誰もがスパイであると気を張り詰める役で、でもすごく馴染んでた。どちらにしてもかっこいいんだよ。

終わりに

裏話(?)をすると、マタ・ハリの前の週にマーダーフォートゥーを観劇したので、しばらくは2つの内容が交互に出てきて情緒が滅茶苦茶でした。(マーダーはコメディなのでw)

でも、マタ・ハリも前回を見られておらず、マーダーも3演目でやっとの観劇だったので、両方無事に観劇出来てほっとしております。

田代ラドゥーと三浦アルマンを見られていないのは悔しいですが、廣瀬ラドゥーと甲斐アルマン、最高でした。

マタ・ハリも二人とも拝見出来て満足です。

さて、今のところ年内の観劇予定は3回。(うち2回は呪いの子)

今年も最後まで楽しみます!

それでは!

コメント

タイトルとURLをコピーしました