「ミュージカルって一度見てみたいと思っていたけど何を見ていいか分からないんだよね」
最近、私がミュージカル観劇が趣味だと伝えたときにこう言われることが増えてきました。
ほんの少し前、単純な疑問として「ミュージカルって何がいいの?」と言われていた時代から考えると、すごく大きな変化だなと思います。
ミュージカル映画のヒットやディズニー作品の実写化、2.5次元ミュージカルのブーム、ミュージカルカンパニーの音楽番組への出演などにより、ミュージカルというものが世間になじみのあるものになろうとしているのかな、と思っています。
しかし、興味を持って「いざ、観劇しよう!」思っても、何を見ればいいのかわからないと思ってしまう方も多いでしょう。
そこで、私が実際に観劇した中から初観劇におすすめする演目を5つピックアップしましたのでぜひ、参考にしていただければと思います。
この記事はこんな人にオススメ!
・ミュージカルに興味がある
・初観劇には何の演目がいいかを知りたい
ちなみに、この記事を書いているmacaronは……
・2011年の「ゾロ・ザ・ミュージカル」が初観劇
・2014年から本格的にミュージカルにはまり毎月遠征するようになる
・2020年のコロナ禍までに36本の舞台/ミュージカルを計69回観劇
私もまだまだ初心者ですがミュージカルの楽しさを知ってもらえたら嬉しいです!
ミュージカル観劇の前に注意点
あらすじだけでも目を通しておく
本を選ぶときは裏表紙を見たり中身をパラパラめくったりするように、
映画を選ぶときは予告やあらすじを見てから決めるように、
ミュージカルを観劇するときもあらすじのチェックはしておくようにしましょう。
決して安いとは言えないチケットを購入して、劇場まで足を運んで観劇するからには「楽しかった」と感じてもらいたいからです。
好きな分野、苦手な分野がそれぞれあると思いますのでそこには注意していただきたいです。
歌って踊って……楽しいだけじゃない
ミュージカルと言えば、歌って踊って、みんなハッピー!!!というイメージがあるのではないでしょうか。
実際私もそう思っていました。
しかし、主人公がどんどん破滅へ向かっていくお話や、闇落ちしてしまうお話、人がたくさん死んでしまうお話もかなり多いです。
社会問題などを取り上げていて、考えさせられるものもあります。
楽しいイメージだけを持っていると、おそらく驚かれると思うので、それだけではないことを一応お伝えしておきます。
今回は初心者へのおすすめということでそういった演目はできるだけ避けていますが、上記のようなお話も面白いものが多いので、もし興味があれば観劇してみてください。
それでは次より、初観劇にオススメするミュージカル演目の幕開けです!
初心者におすすめするミュージカル演目5選
リトルマーメイド
まずは王道中の王道、大人も子供も楽しめる劇団四季のリトルマーメイド。
外の世界に興味津々な人魚のアリエルは、ある日人間の王子に恋をしてしまう。
魔女と契約し、美しい声を代償に足を得たアリエルは地上の王子に会いに行くが……
ストーリーを知っている方も多いと思いますし、知らなくてもわかりやすいので大丈夫です。
私はディズニーをあまり見ずに育ってきたので、子供向けじゃないのかな?と思いながらの観劇でしたが(ファンの方ごめんなさい)、とても楽しいわ、ぼろぼろ泣くわで大変でした。
怖いもの知らずで地上の世界に興味津々なアリエルと、娘を危険に晒したくない、守りたいと思う父親。観劇するときの立場にもよりますが、「その気持ちわかる」と思えるシーンがたくさんあります。
そして思わず笑ってしまうようなコメディシーンもあります。主にセバスチャンです。
観劇後は友人やお子様とお気に入りの場面や台詞を語り合いたくなること間違いなしです。
美女と野獣
こちらもディズニー作品、劇団四季の美女と野獣です。
人を外見で判断する王子は、ある日魔法使いに醜い野獣の姿に変えられてしまう。
バラの花びらが全て落ちるまでに真実の愛を見つけなければ永遠に元に戻ることはできない。
そんなときに、城の中に隣の村の聡明な娘ベルが迷い込んできて……
「Be Our Guest」や「強いぞガストン」のようなみんなで歌って踊る、そして私たちも一緒にノリノリになれる楽しい場面。
ベルと野獣が少しずつ距離を縮めていくドキドキする場面。
バラの花びらが一枚ずつ落ちていき別の意味でドキドキする場面。
見ている間、絶え間なく感情が動いてこの世界観に没頭できる作品です。
ただ、途中で出てくるオオカミや、野獣の見た目が少し怖いので、小さなお子様と一緒に見るのは少し注意してください。
私の観劇時も泣き出してしまう子がちらほらいました。
確かに、大人から見てもリアルで少し怖く感じますので、小さい子から見たらもっと怖いんだろうなあ。
メリーポピンズ
映画メリーポピンズリターンズに先立って初演、そして2021年に再演を果たしたメリーポピンズ。
家族間の問題を抱えるバンクス一家に魔法使いメリーが家庭教師としてやってきて……
バンクス一家とメリーを中心に起こるドタバタ劇と一家が本当の家族になるまでの物語。
「スーパーカリフラジリステックエクスピアリドーシャス」や「ステップインタイム」はダンスにも注目。一歩のミスも許されない緻密なステップで私たちを魅了してくれます。
メリーが家庭教師をする子供たちもですが、その父母、バンクス夫妻の成長も必見です。
大人になるにつれて忘れていったものは何か?本当に大切なものは何か?
気づかされることがたくさんあります。
劇の終わりは、メリーが客席の上を飛んで退場するのでそれも楽しみにしてくださいね。
ライムライト
1952年にチャップリンが手がけた映画が原作になります。
音楽劇と銘打ってるのでどうしようか悩んだのですが、とても素晴らしい作品なので入れさせてください。
人気道化師のカルヴェロは、ある日足が動かないバレリーナのテリーを助け、彼女を介抱するようになる。
テリーが再び舞台に立ちに人気になっていく一方で、カルヴェロは再浮上できずにくすぶっていて……。
空気感、台詞、音楽、踊り、場面転換……どれをとっても美しいと言える作品。
上3作品のようにみんなでノリノリになって楽しい!という場面は少ないですが、しっとりと体全体に沁みわたって優しく、温かくなれる演目です。
一世を風靡したカルヴェロが最期に出した「芸術」というものに対する答え、自分を慕ってくれたテリーへの愛の形……ぜひ劇場で見届けていただきたいです。
余談ですが、チャップリン家からライムライトの舞台化が許されているのは日本だけ、らしいです。(2019年上演時のパンフレットより)
これは、見に行く以外の選択肢はないですね笑
レミゼラブル
言わずと知れたミュージカルの金字塔、ヴィクトル・ユゴーの「レミゼラブル」。
家族のためにパンを1つ盗んだジャン・バルジャンは徒刑場で19年を過ごす。
仮釈放となり自由を得たバルジャンだが、行く先々で人として扱われない理不尽さに怒りを覚える。
ある日、盗みを犯した彼を許した神父に自分の行いを恥じたバルジャンは、改心して仮釈放許可証を破り捨て「ジャン・バルジャン」の過去を葬り去り、新しい人生を歩み始める。
あらすじを短くまとめるのが大変でしたが、実際劇場で見ても「えっ、今までがプロローグ?」となりますのでご容赦ください。
ジャン・バルジャンという一人の男を軸とした群像劇になります。
貧困を強いられる民衆、時代の流れに散っていく学生たち、たった一人の運命と出会い愛を知る少年少女、そして主人公ジャン・バルジャンと対を成す刑事。
魅力的なキャラクターたちに溢れています。
9.5割……いや全ての台詞が歌になっているので、とにかく「ミュージカル=歌」を堪能したい人向けです。歌に吹っ飛ばされますので、ご注意ください。
ただ、レミゼラブルを予備知識なしでミュージカルで初めて見る、というのはオススメしません。
3時間でまとめているので、ところどころ展開についていけなかったり、登場人物がわからなくなったりすると思います。
2012年の映画か漫画のどちらかを見ていくことをおすすめします。
まとめ
私が実際観劇してきたミュージカルの中から初観劇におすすめの演目を紹介してきました。
これからミュージカルを見てみたいと考えている方の参考になれば嬉しいです。
映画は映画館の大画面と音響で見たいと思うように、
ミュージカルは劇場で、目の前で繰り広げられる演技や歌を感じていただきたい。
生の歌声、オーケストラが奏でる演奏、役者の熱……その全てが合わさって作り出される空間を是非楽しんでくださいね。
コメント